マンガ

連載再開!!『ワールドトリガー』の魅力を語る

 

 

 

ワールドトリガーが連載再開するって!!!

 

この日をどれだけ待ちわびたか。

僕はこの知らせを電車の中のTwitterで知ったのですが、本当に泣きました。涙が出ました。嬉しすぎて吐きそう。

 

ワールドトリガーを知らない人にはこの機会に知って欲しい。

バトル漫画好きな人にとって、「こんな漫画が読みたかったんだ!」と思う傑作です。

 

『ワールドトリガー』は、週刊少年ジャンプで連載されていた葦原大介先生の人気漫画です。

じわじわと人気を獲得しながらアニメ化まで漕ぎ着けた漫画ですが、作者の病気により2016年より休載が発表されます。

漫画家にとっては深刻な病気であることもあり、「もう再開はかなわないのではないか…」というムードが漂っていたなかでの、2年振りの再開になったわけです。

 

あらすじ

あくまで「あらすじ」であり、この作品の「魅力」が現れている部分でないので、ご辛抱下さい。斜め読みしてください

 

舞台設定は、結構雑に言ってしまえば『BLEACH』に近いです。『BLEACH』を知らない人は、「異世界からの化物を倒す話」くらいでいいです。

ある日、異次元から「近界民(ネイバー)」と呼ばれる怪物が来襲し、三門市は混乱に見舞われる。

その中、「ボーダー」と名乗る集団が現れて近界民を退治していく。彼らは人間誰しもが持つ「トリオン」を元に思念体を作り出し、トリオンを用いた武器「トリガー」で近界民と戦うのだ。

 

要するに、虚=近界民、護廷十三隊=ボーダー、霊圧=トリオン、斬魄刀=トリガー、でだいたい間違いないです。最初は人VS化物が段々人VS人になるのも似ています。

 

主人公は三雲修。ボーダーに入隊するも、才能のなさからなかなか活躍できません。そんな中、近界民の世界からやってきた空閑遊真という少年に出会います。この二人と修の幼なじみ・雨取千佳は、千佳の連れ去られた兄を探すため、3人で「近界遠征」を目指します。近界遠征の絶対条件は、強者揃いのボーダー内でも選ばれし、A級隊員になること。彼らの試練が、今始まったーーー。みたいな。

 

 

こんな漫画が読みたかった!!

ここから『ワールドトリガー』の魅力を語りたいのですが、終着するキーワードは「こんな漫画が読みたかった!」です。

 

  • 集団戦がスゴい!

  『ワールドトリガー』はバトル漫画のジャンルに属します。その中でも他のバトル漫画と一線を画す特長は、「集団戦の緻密さ」です!

世のバトル漫画はタイマンが多く、たまにある集団戦でも結局は1:1にバラけてしまったり…がよくありますよね。

 

この漫画は、多対多の集団戦が基本です(ボーダー隊員同士の「模擬戦」では、チーム3~4人×3の三つ巴合戦です)。それもかなり高クオリティで、味方のサポート、敵の妨害、挟み撃ち……等、複雑な展開を楽しむことができます。

正直、このレベルの集団戦を描ける漫画家はそうそういないと思います。

 

  • トリオン体という発明!

ボーダー隊員は「トリオン体」として戦います。

つまり、生身ではなく、仮想の身体で闘い合う、と認識しておけばとりあえず充分です。

撃たれたり切られたりしてトリオン体が破壊されれば、「緊急脱出」として生身の身体がボーダー本部に飛ばされる、という仕組みです。

つまり、ボーダー隊員は負けても死なないんですね。

 

「え、そんなの緊迫感なくてつまんなくない?」と思われたでしょうか。

 

逆です。

 

死なないからこそ、緊迫感が出るんです。

 

と、言うのも理由は2つ。

第一の理由は、死なないからこその思い切った演出が出来る、という点です。

トリオン体は仮想の肉体であり、何をしても実体はノーダメージです。トリオン体が死んでも、本人は死にません。

このトリオン体を殺す為に、首チョンパもするし四肢切断だってします爆散もします。出来るのです。普通の漫画ならそのキャラが死んじゃうので出来ませんが、この漫画ならできます。死なないから。

しかも、ここまでしてもグロくない。生身じゃないから。これは本当に凄いことです。

 

このトリオン体システムにより、皮膚を割いたような斬撃や注射のような銃撃はこの漫画に存在しません。ちゃんとダメージがでる描写故の迫力があります。

 

第二に、主人公サイドが簡単に負けることがあるんです。

負け=死のバトル漫画では、基本的に主人公は負けられません。物語終わっちゃうから。

負けたとしても、謎展開で命を拾う……というのもよくありますね。

『ワールドトリガー』は、負けても次があるので誰でも負けます。主人公も負けるし、強キャラも負けます。

これにより、勝敗が本当に分からなくなります。誰が負けてもおかしくない。

 

長くなりましたが、要するに死なないからこそ、生ぬるい戦闘にならない、死なないからこそお約束展開がないということです。

 

  • インフレしない!覚醒しない!

 

『ワールドトリガー』の世界にはバトル漫画が避けて通れない「インフレ」がありません。

インフレの原因って、「強い力を持った敵が現れ、それを上回る力で倒し、それを上回る力が出現し……」という、バトル漫画の王道展開の繰り返しから起こると思うんです。

しかし、『ワールドトリガー』にはそのような王道展開からは外れています。

 

というのも、まずボーダー隊員の力量が予め知れている、というのがありますね。ボーダーの精鋭・A級隊員のあらかたはすでに登場しています。なので「この漫画の戦闘力は大体こんぐらい」っていうのがすでに分かっているんです。

 

それともう一つボーダー隊員の武器・トリガーはみんな大体同じなんです。量産品なんです。各隊員は何種類かあるトリガーを組み合わせて、自分のスタイルを作るわけです。

 

そんな彼らが他の隊員とどう差別化を図るかというと、チームの戦略、武器の組み合わせ、現場の判断力といった頭脳部分なんですね。工夫する戦いが見どころだからこそ、力VS力のぶつけあいがなくても面白いバトルになっているんです。

 

ゆえに、この漫画は「覚醒展開」がありません。「さっきまでボコボコだったのに何故か力が宿って逆転勝利」みたいなご都合主義がありません。そもそも力は問題としてないからです。

あらすじで述べたようにメインキャラの三雲修は才能ないポンコツキャラですが、18巻続いた今でもずっとポンコツです。しかし、ポンコツなりの技術を使い、知恵を絞って戦っています。

この手のキャラは「力はないけど頭脳は人一倍!」みたいな所がありますよね。実際修もそうなんですが、この漫画がシビアで面白いところは、「ボーダー内には修より頭がいい隊員がゴロゴロいる」ところです笑。徹底的に主人公に厳しい環境ですが、この先も修が謎の力でパワーアップ!という展開はないでしょう。

 

  • キャラクター愛!!

ごめんなさい、長いですね。

『ワールドトリガー』はキャラクターの数が多いことで有名なのですが、凄いのは戦闘に登場したキャラクターほぼ全てに見せ場が与えられているところです。敵も味方も噛ませキャラが一人もいない。モブキャラがいないんです。

なので『ワールドトリガー』には魅力的なキャラクターが沢山います。

 

ちなみに僕は、修、ユーマ、木虎、佐鳥、とりまる、小南、那須さん、鋼さん、鬼怒田さん、ミラ、雷神丸、二宮さん、出水、宇佐美、太刀川さんあたりが好きです。

ていうか大体みんな好きです。

4巻まで読んで!

この機会に『ワールドトリガー』を読んでみようかな、と思った人は、ぜひ4巻まで試しに読んでみてください!

ぶっちゃけ、3巻までは退屈だから!!

何度もいうように、「こういうバトル漫画が読みたかったんだ!」と絶対に思える作品です。

沼にハマると思います、是非!