映画

男の僕が『おっさんずラブ』を観た感想。

『おっさんずラブ』が去年話題になりましたが、男の僕はたいして関心を持っていませんでした。

BLは苦手だし、顧客を絞ったドラマがはねたんだろうな。。。という印象でした。

しかしこの前友人に激推しされて、一話だけ、、と思いアマゾンプライムで『おっさんずラブ』を視聴してみたところ、激ハマり。

これは腐女子のためのドラマじゃない。。。男も女も全員見るべき王道の恋愛ドラマだ。。。!

今回は男の僕でも楽しめた『おっさんずラブ』の魅力を紹介します。

BLシーンはそこまできつくない

僕が『おっさんずラブ』を視聴するうえで一番懸念していたのは、BLシーンのキツさ

僕は決してBLが得意ではなく、男が絡み合う景色には顔をしかめてしまい、書店のBLコーナーには近づけません。

民放テレビで放送しているくらいなのでそんなに過激なのは出ないだろう。。。と思いつつ、キツそうなら一話であきらめようと思っていました。

結論、個人的にはまあ見られるレベルです。

もちろんBLシーンはあるのですが終始イチャイチャシーンというわけではなく、基本一話に1~2シーン程度。

男同士でハグしたり、キスしたり(ディープはない)、といった、まあ想像の範囲内のレベルで、別にこれくらいなら見られるなあといった印象。個人的にキツイシーンもありましたが、その部分だけ目を伏せたりスキップしたりすれば僕は平気でした。

これが毎回毎回続くわけじゃない。

恋愛の核を描く

で、ここからが伝えたいことなのですが、

『おっさんずラブ』はただ男が抱き合っているのを腐女子が騒いでみるドラマじゃないんです

このドラマは「BL」を材料として、「人を好きになる」ということの本質を描く、超王道の恋愛ドラマです。

このドラマの軸を担うのが牧(林遣都)というキャラクター。(吉田鋼太郎より実はこっちがメインです)

主人公の春田(田中圭)に恋をする彼は、かなりの情熱的なアプローチで春田に思いを伝える肉食系ですが、一方で想い人である春田の幸せをずっと悩み続けることになります

男の自分と恋人になって幸せなのか?

周囲からの好奇に巻き込んでいいのか?

好きなのに、好きだからこそ相手を想い距離を置く、普遍的な恋愛の姿ですがBLだからこその説得力と切実さが出ています。

そしてそれを受け止める春田(ノンケ)の心の動きも見どころ。

男は好きじゃないはずだけど、牧のことはなぜか気になってしまう。

けれど幼馴染の女の子のことも気になる気がする。

自分の気持ちが自分でわからない状況の春田が、誰が好きか、何が好きか、理屈とか外づらを無視して自分の心にその答えを任せる、そこには装飾なしの生々しい恋愛感情があります。

僕はこのドラマを見ながら江國香織『きらきらひかる』を連想しました。

あくまでこのドラマで描きたいのは男のイチャイチャなどではなく、男女のノーマルな恋愛では見えづらい恋愛感情の核の部分なのだと思います。

多種多様な恋愛の形

『おっさんずラブ』で描かれる恋愛はBLだけではありません。

上司と部下、腐れ縁の幼馴染、熟年夫婦、おばさんと若造。。。

多彩な恋愛の形が、それぞれくどく無い程度に、かつ存在感を放ちながら登場します

これらの描写からも、「体裁を気にせず、自らの本能に従い殻を破る」というテーマが表れているような気がします。

自分自身の恋愛の姿勢を考えさせられるドラマになっています。

おわりに

『おっさんずラブ』はタイトルから男の僕は敬遠していましたが、観てみたらBLなんかは関係ない、純粋に恋愛ドラマとして見ごたえのある作品でした。

今週末も映画を見に行く予定です。続編も決まったらしいので、今から楽しみです。