『ドラえもん短歌』がエモすぎる。

『ドラえもん短歌』という歌集があります。

『ドラえもん』にまつわる短歌を一般の方からネットで募集し、優秀な作品をまとめた歌集。

コンセプトからして、ドラえもん大好きな小学生くらいの子供が投稿した、ほほえましい作品が多いのかなあと思って購入したのですが、僕の予想は外れていました。

もちろんそのようなかわいい短歌も多いのですが、それ以上に多かったのは『ドラえもん』を見て育ってきた大人たちの、懐かしさと哀愁が感じられる深い作品。

ドラちゃんの「えもん」を「エモン」と書くような人とは結婚したくないです

花金にドラえもんとか見てるけど寂しくないし化粧もしない

ドラえもんなしでここまで生きてきた自分をもっと褒めてあげたい

どこでもないここにいたいと気づくだけ何度どこでもドアを開けても

奥さんがどこでもドアを持ってたらあたしたちもう会えなくなるね

めちゃくちゃエモくないですか。

特に最後の一首がぼくは好きなんですけど、不倫関係に「どこでもドア」を持ち出す悪戯感とか、「どこでもドア」を持ってなさそうなこの奥さんはたぶん真面目なんだろうなとか、この女性が『ドラえもん』を純粋に楽しんでた子供時代とか、いろいろ想像できていいですよね。

『ドラえもん』が子供向けアニメの枠を超えた日本国民みんなのヒーローであることは周知ですが、この歌集は「大人の目線でドラえもんに触れる」ことで生まれるとんでもないエモさが表れています。

大人から見たドラえもんやのび太、ジャイアン、しずかちゃんなど、アニメでみていた印象とはまた違って表現されているのも面白いです。

ドラえもんが好きな人には(みんなですよね)是非手に取ってほしい本です。

僕たちが今進んでる方向の未来にドラえもんはいますか